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札幌市、新MICE施設の基本計画案を公表。中島公園に3,000~5,000人規模、2033年度供用開始へ

札幌市は、「(仮称)新MICE施設整備基本計画(案)」をまとめました。中島公園周辺に、大規模な国際会議や展示会を併催するMICEに対応できる新施設を整備する計画で、2033年度中の供用開始を目指します。新施設では3,000~5,000人規模の学会を単館で開催できる機能を整え、周辺ホテルとの連携によって5,000~10,000人規模の大規模学会にも対応する方針です。札幌市がこれまで課題としてきた、大規模MICEを一つの施設で開催できる環境の不足を補う新たな拠点となります。

施設イメージ
引用:札幌市資料より

2018年の計画を見直し コロナ後のMICE市場を踏まえ再始動

札幌市は2003年に札幌コンベンションセンターを開設し、2015年には観光庁の「グローバルMICE都市」に選定されました。2018年には新MICE施設の整備基本計画を策定しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業を延期していました。

その後、MICE市場の回復や建設費の高騰などを踏まえ、2025年9月に「新MICE施設整備基本方針」を策定。PFIを含む民間活力の導入について検討を進め、今回あらためて基本計画案をまとめました。札幌市はMICEを、宿泊、飲食、交通、小売などへの経済効果だけでなく、学術・産業の高度化、国際的な都市ブランドの向上、観光閑散期の誘客にもつながる都市機能と位置付けています。

2025年のICCA基準による国際会議開催件数では、札幌市は24件で国内4位。東京、京都、大阪に続く位置にあります。一方、市内では大規模な会議と展示を一体的に開催できる施設が限られ、複数のホテルや公共施設に会場を分散するケースもあります。

MICE誘致体制
引用:札幌市資料より
メインホール
メインホール イメージ 引用:札幌市資料より

メインホール2000㎡、多目的ホール3200㎡ 会議室は15室

新施設が主なターゲットとするのは、札幌コンベンションセンターでは開催が難しい展示会併催型の3,000~5,000人規模の学会です。周辺施設との連携による5,000~10,000人規模の大会や、1,000人規模のインセンティブツアーも想定します。

施設には約2,000㎡のメインホール、約3,200㎡の多目的ホール、合計約3,400㎡・15室の会議室を整備します。ホールと会議室を合わせた面積は約8,600㎡です。

多目的ホールでは中規模公演や展示も想定し、メインホールとの一体利用にも対応します。会議室は大規模会議からバンケットまで使える可変性を持たせ、ホワイエでは受付、展示、交流など多様な利用を想定しています。共用部、バックヤード、駐車場・車寄せなどを含めた施設全体の面積は約3万8,400㎡。大型ディスプレイや安定した通信環境なども導入する計画です。

環境性能については、国際的に重視される「サステナブルMICE」への対応を進め、ZEB Ready相当以上を目指します。

地図
引用:札幌市資料より

中島公園駅と地下接続 ホテル、すすきのとの近さを生かす

整備予定地は札幌市中央区南10条西3丁目、中島公園に隣接する約1万2,600㎡の敷地です。地下鉄南北線・中島公園駅とは地下で接続する計画で、公共交通を利用する参加者が屋外に出ず施設まで移動できる動線を想定しています。

周辺にはホテルが集まり、札幌を代表する繁華街・すすきのにも近接します。会議終了後の飲食や交流など、アフターコンベンションとのつながりも新施設の立地を生かすポイントです。隣接ホテルとの接続も計画し、ケータリングや飲食サービスの動線を確保します。敷地内には公共通路などを整備し、中島公園や周辺地域との回遊性を高めます。

新施設はMICE参加者のための会場に加え、地域住民が利用できる交流の場や、災害時の防災拠点としての役割も持たせます。

建物整備費は約492億円 経済波及効果は年間約563億円を試算

概算の建物整備費は約492億円、土地取得費は約105億円。事業手法には「BT+コンセッション方式」を採用する方針です。民間事業者が施設を建設した後に所有権を公共へ移し、運営には民間のノウハウを生かします。事業期間は15~20年を想定しています。

既存の札幌コンベンションセンターとは一体運営を前提とし、利用調整やMICE誘致、運営コストの効率化を図ります。年間の運営収入は約9.2億円、支出は約6.4億円で、運営収支は約2.8億円と試算。MICE参加者による消費や施設運営などを含め、市内への経済波及効果は年間約563億円を見込んでいます。

今後は2028年度中の事業契約締結、2029年度の設計着手を経て、2033年度中の供用開始を目指します。大規模な国際会議や展示会を一体的に受け入れる機能と、中島公園、地下鉄、ホテル、すすきのへのアクセスを組み合わせる新たなMICE拠点。札幌市は今回の基本計画をもとに、施設整備を具体化していきます。

参考ページ:札幌市(仮称)新MICE施設整備基本計画

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