【学生乗船記】ギャップがあるほどビンゴに近づく!?パンスターミラクルクルーズで「思い込み」を9つ壊しにいった17時間

こんにちは!同志社大学1年の松井響己です。今回は姉の来美と2人で、大阪から韓国・釜山まで、フェリー「パンスターミラクル号」に乗って17時間の船旅をしてきました。なぜ大学生の姉弟が、飛行機ではなく船で釜山に向かうことになったのか。そのいきさつは、記事の途中でお話しします。

初めての船旅。ワクワクする一方で、乗る前の私たちには「船って揺れて酔わない?」「17時間って長すぎない?」という思い込みもありました。そこで作ったのが「思い込みビンゴ」です。船旅への思い込みを9マスに書き出し、思い込みが崩れたらマスが開きます。ふつう予想は当たってほしいものですが、今回は逆。
外れれば外れるほどうれしいビンゴです。
「船旅って実際どうなの?」と気になっている人、飛行機以外で海外に行ってみたい人、そして大学生2人が船の上でわちゃわちゃしている様子を見たい人。ぜひ一緒に乗船した気分で読んでみてください。
※2026年10月5日に取材。最新の情報とは異なる場合があります。
取材の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 船名 | パンスターミラクル号(パンスタークルーズ) |
| 船の大きさ | 総トン数22,129トン、全長171m |
| 航路 | 大阪 → 釜山(約375マイル) |
| 運航時間 | 行き:17:00 大阪出港 → 翌10:00 釜山着(約17時間) / 帰り:16:00 釜山出港 → 翌9:00 大阪着(約17時間) |
| 乗り場 | 大阪港国際フェリーターミナル(大阪・南港) |
| 公式サイト | https://www.panstarcruise.com/product/osaka/info |
出港・到着時刻は乗船券とパンスタークルーズ公式サイト、船の大きさと航行距離は船内の運航情報モニターより。
※曜日によって異なります。詳細は公式サイトにてご確認ください。

船内ビンゴ9マス。“思い込みが崩れるほど開く”ルールで釜山を目指す
ビンゴカードを公開します
マスは3×3の9マス。どのマスにも、乗る前に私たちが「さすがに〇〇」と決めた“思い込み”が書いてあります。
…予想と違うかったらまじで熱い!!

ルールはひとつ。思い込みが崩れたらマスが開く
思い込みが崩れたときだけマスが開きます。思い込みどおりだったら、そのマスは閉じたまま。
つまり、思い込みが崩れるほどビンゴに近づく仕組みです。たて・よこ・ななめ、1列そろえばビンゴ。私たちは乗船中ずっと「頼む、裏切ってくれ!」と祈ることになります。
2人の作戦会議
姉は「半分は思い込みどおりだと思う」と冷静。私は「いや、全部裏切ってくれるはず」と期待しすぎています。さて、どちらの読みが当たるのでしょうか。
乗船〜出港。最初の思い込みが試される
出発は大阪港国際フェリーターミナルから
出発は大阪・南港の大阪港国際フェリーターミナル。受付の横にある自動発券機で手続きをすると、乗船券が出てきます。一緒に受け取るのが、首から下げるカードホルダー。これが船の中では、お財布の代わりにもなります。待合ラウンジの大きな窓の向こうには、雨の中、これから17時間お世話になるパンスターミラクル号が待っていました。


発券された2人の乗船券と、首から下げるカードホルダー(QRコードなどは加工しています)

待合ラウンジの窓の向こうに、これから乗るパンスターミラクル号
乗船してすぐ、まさかのウェルカムドリンク
船に入ってすぐのロビーで、スタッフの方がグラスを並べて待っていてくれました。なんと、ワインもしくはぶどうジュースを無料でもらえます。私たちはぶどうジュースをいただきました。乗船していきなりのおもてなしに、テンションは一気に最高潮! これが本当においしくて、2人とも思わず笑顔になりました。


思い込み1「客室は狭くて寝るだけの場所」
いったん別れて、それぞれの客室へ。ドアを開けると、そこには窓いっぱいのきれいな海と、優しくあたたかく迎えてくれるおじいちゃんがいました(笑)。
4人部屋で、同室は在日韓国人のおじいちゃん2人と、イギリスから来たお兄さん。入った瞬間から声をかけてもらい、韓国の話を聞いたり、韓国語を教えてもらったり、日本の歴史の話で盛り上がったり。夜には、部屋に1人1個ずつ置いてあるコップに飲み物を分けて、みんなで乾杯しました(笑)。

集合して答え合わせをすると、姉も同じ部屋の人たちとたくさん話して仲良くなったそうです。客室はただ寝るだけの場所ではなく、そこから出会いが始まる場所でした!
◎ ギャップ発見! マスOPEN!
思い込み2「船の中は日本の雰囲気も感じられる」
船内を歩いてみると、案内の日本語は小さく添えてあるだけで、メインは韓国語。日本では見られないカジノもあります。
一番驚いたのは、日本人がほとんどいなかったこと。見た印象では、韓国の人が半分、欧米の人が3割、日本人は2割くらい。いろいろな言語が飛び交う中で、もう世界に飛び出したような気がして、ワクワクが止まりませんでした。

和食レストランや日本の化粧品の売り場もありましたが、それも「韓国から見た日本」という雰囲気。出港前から、もう異世界でした。
◎ ギャップ発見! マスOPEN!
17:00、汽笛が鳴った
17時、汽笛が鳴りました。船がゆっくりと岸を離れ、大阪の街が少しずつ小さくなっていきます。

途中経過:9マス中2マスOPEN

夕方〜夕食。ご飯とお財布に、思い込みが揺らぐ
瀬戸内海は、見飽きる暇がない
瀬戸内海に入ると、島や橋が次々に現れて、どこを見渡しても絶景でした。

ただ、行きは雨。雨でも屋上のテラスには自由に出られましたが、寒いし風は強いしで、長くは外にいられませんでした。レインコートと暖かい上着を持ってくればよかった……。
その分、帰りの船は晴れ! 真っ暗な中で空を見上げると、満天の星空が広がっていました。テラスのベンチに寝転がって、ずっと星を眺めていました。

思い込み3「ご飯は日本料理もある」
夕食はビュッフェ形式。並んでいたのは、トッポッキ、オムク、チャプチェ、ポッサム、キムチ、エビ、ピザ、チーズとナッツの盛り合わせなど。行きの便は韓国料理がほとんどで、日本料理はほぼありませんでした。


特においしかったのは、キウイ味のドレッシングとデザート、そして写真左下の豚肉! また食べたい味でした。帰りのクルーズ船のご飯は日本料理がたくさん! 懐かしい味に感動しました。特に豚汁が一番日本を感じるご飯でした。

◎ ギャップ発見! マスOPEN!
思い込み4「船の中では韓国のお金しか使えない?」
船内の免税店とコンビニをのぞいてみると、値段はすべてウォン(₩)表示。円の出番はありませんでした。


支払いはすべて、乗船時にもらう首から下げるカードのQRコードで。QRはスマホのアプリとつながっていて、登録したクレジットカードから支払われる仕組みです。日本の港から出る船なのに、乗った瞬間からお財布はもう韓国。ここは初めての「閉じたままのマス」です。現金を両替していなくても、カードさえ登録しておけば大丈夫でした。
× 思い込みどおり…マスは閉じたまま
途中経過:3マスOPEN、リーチ1列(左のたて列)

中休み:そもそも、なぜ船で釜山へ?
ここでちょっとひと休み。冒頭でお預けにしていた、この旅のいきさつをお話しします。
2026年7月11日、私たちはMICE TIMES ONLINE編集部主催の学生向けフィールド探索イベント「MICEワンダラーズ」に、チーム「Fratrie(フラトリー)」として参加しました。大阪の街を3時間歩き回ってMICEスポットを探し、見つけた施設だけで大阪ならではのMICEイベントを企画してピッチする。そんな1日で、私たちは御津八幡宮をユニークベニューにして、名刺の代わりに“願い”を交換するネットワーキングを提案しました。結果は、まさかの最優秀賞!!

MICEワンダラーズ(2026年7月11日・大阪)。ここからすべてが始まりました
最優秀の特典は、10月に韓国・釜山で開かれるスタートアップイベント「BOUNCE2026」の取材ツアー。しかも移動手段は、大阪から就航したばかりのフェリー「パンスターミラクル号」でした。MICEという言葉すらよく知らなかった2人が、海を越えてMICEの現場を取材しに行くことになったのです。
イベントは、会場に着いた瞬間に始まるわけではありません。どうやってそこへ向かうのか、その「行き方」も体験の一部のはず。飛行機なら約1時間半の釜山まで、あえて約17時間かけて船で向かう。その時間はただの移動なのか、それとも旅の一部になるのか。それを確かめるのが、この記事のもうひとつのテーマです。
さて、船の上に戻りましょう。ここからは夜の部です。
夜。お風呂と揺れと圏外との勝負
思い込み5「部屋のシャワーだけで温泉はない」
客室のお風呂はシャワーだけ。やっぱり船だからこんなものか……と思っていました。

ところが、船内ガイドブックを開いてみると「温泉&サウナで癒される」の文字が。船内を歩いてみると、本当に大浴場があり、しかもサウナまでありました。

まさかの大浴場とサウナ! 海の上で入るお風呂は、想像以上に気持ちよかったです。
◎ ギャップ発見! マスOPEN!
途中経過:4マスOPEN、リーチ2列! どちらも残りは「揺れ」のマス

思い込み6「船は揺れて酔う」
ここで開けば、一気にダブルビンゴ。運命のマスです。
瀬戸内海を走っている間は、揺れはほとんど感じませんでした。ところが九州本土を抜けたあたりから、一気に揺れ始めます。揺れる場所はだいたい決まっているようです。

結果、私はまったく平気。でも姉は見事に酔ってしまいました。船酔いが心配な人は、九州を抜ける前に酔い止めを飲んでおくのがおすすめです。
× 思い込みどおり…マスは閉じたまま
上のよこ列も左のたて列も、あと1マスだったのに…。ダブルビンゴの夢は、九州の先の海に消えていきました。
思い込み7「スマホは使えないのか」
船内には常にWi-Fiがあって、圏外になっている実感はまったくありませんでした。ただし、私の部屋だけは電波が悪く、部屋の中ではWi-Fiが使えないという落とし穴が……。部屋の外なら、どこでも問題なく使えました。
帰りの便では、20時20分ごろにスマホに「お住まいの国/地域に戻った」という通知が届きました。国境を越えたことを、スマホがこっそり教えてくれます。

◎ ギャップ発見! マスOPEN!
途中経過:5マスOPEN。ダブルビンゴは消えましたが、リーチはまだ3列!

朝。国境はいつ越えた?
朝、デッキに出ると、島の向こうから朝日が昇るところでした。

思い込み8「『韓国に来た』とどっかで感じるタイミングはないのか」
船内の階段や廊下には、船の現在地がわかる運航情報モニターがあります。夜の9時53分、モニターを見ると、船はまだ瀬戸内海の中。地図の上では、まだまだ日本です。

ところが朝10時すぎにもう一度見ると、船は対馬海峡を渡り切り、釜山のすぐそばに。地図の上で国境を越えたのは、私たちが寝ている間でした。

VIPラウンジの入口には、釜山の海雲台(ヘウンデ)や広安大橋(クァンアンデギョ)の映像が流れ、中には韓服姿の人形が飾られていました。

ふり返ってみると、私たちが「韓国に来た」と感じたのは、朝でも釜山でもなく、船に乗った瞬間でした。聞こえてくるのは韓国語、値段はウォン、夕食はトッポッキ。乗った瞬間から別世界で韓国でした。地図の上ではまだ瀬戸内海を走っているのに、船の中はとっくに韓国。国境は、港を出る前に越えていたのかもしれません。
◎ ギャップ発見! マスOPEN!
途中経過:6マスOPEN。下のよこ列で、ついにビンゴ!

釜山が見えた!
デッキに出ると、大きな橋の下をくぐって、釜山の街並みが近づいてきました。到着予定は10:00でしたが、実際に着いたのは10:30すぎ。ですがついに釜山港に到着です!




最後の思い込み。17時間は長くて飽きるのか
思い込み9「17時間は長くて途中で飽きてしまうのではないか」
カードの真ん中、最後まで答えが出なかったのがこのマスです。ふり返ってみると、船の中にはこんな過ごし方がありました。

ライブが終わると、演者さんやスタッフさんと一緒に記念撮影。ステージの上で、国も年齢もバラバラのみんなとピースをしていました。






答えは「短かった」。無料でカジノを体験できたり、屋上で夜空を見上げ続けたり、イベントもたくさんあったりで、17時間は一瞬でした! 時間があれば屋上でのんびり。いつも予定がパンパンで焦ってばかりの毎日だからこそ、久しぶりに心からリラックスできました。
◎ ギャップ発見! マスOPEN!
9つの思い込みのうち、崩れたのは7つ


最終結果:7マスOPEN、3列ビンゴ!
結果は9マス中7マスOPEN、ビンゴは下のよこ列・真ん中のたて列・ななめの3列! 最後まで崩れなかったのは「船は揺れて酔う」と「船の中では韓国のお金しか使えない?」の2つでした。

あなたの思い込みは、いくつ崩れる?
最後まで残った「揺れ」のマスは、海のご機嫌しだい。穏やかな日に乗れば、次のあなたなら開けられるかもしれません。
船旅に、あなたはどんな思い込みを持っていますか? 次にこの船に乗るときは、ぜひ自分だけの思い込みビンゴを作って、思いきり裏切られてみてください。

Editor’s Note:移動の17時間は、ただの移動だったのか
乗る前の私たちにとって、船の17時間は「釜山に着くまでの待ち時間」でした。また一日の4分の3と聞くと、正直長いと思っていました。でも実際に乗ってみると、船内は清潔で快適。ただの移動ではなく、これも旅の一部だと思えました。
4人部屋で出会った在日韓国人のおじいちゃんやイギリスのお兄さんとの会話、ウォンしか使えない売店、寝ている間に越えていた国境。会場に着く前から、すでに「人と出会い、異文化に触れる」時間が始まっていました。
MICEでは、会場で過ごす時間だけでなく、そこへ向かう移動も参加者の体験の一部です。今回の船旅は、その「行き方」がどれだけ体験を変えるのかを考えるきっかけになりました。
筆者のプロフィール 松井 響己(同志社大学 1年)

「たくさんの価値観に触れたい」。それが大学生活でいちばん大切にしていることです。大学ではデータ分析を学ぶ一方、よさこいで全国の決勝の舞台に立ち、学生が1からつくるお祭り「京都学生祭典」を運営し、北海道のまちづくりの現場にも足を運びました。
何事にも挑戦し行動していると、たった半年でコンテスト優勝や、大学の代表として電車広告に出演できるようになっていました。考えるより先にまず動いてみる。そして振り返って、次に何が足りないかを探し続けています。
※掲載内容は取材当時の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。



